リスクコミュニケーションのための化学物質ファクトシート
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エチレンイミン

別   名 アジリジン、アジラン、アミノエチレン、ジメチレンイミン
PRTR政令番号 1-55 (旧政令番号:1-41)
C A S 番 号 151-56-4
構 造 式 エチレンイミン構造式
  • エチレンイミンは、他の化学物質の原料として用いられており、農薬などの原料に使われるほか、ポリエチレンイミンの原料として使われています。
  • 2010年度のPRTRデータでは、環境中への排出量は約0.69トンでした。すべてが事業所から排出されたもので、すべて大気中へ排出されました。

■用途

 エチレンイミンは、常温では無色透明の液体で、強いアンモニア臭がある揮発性物質です。エタノール、ベンゼン、アセトンやエーテルなどの有機溶剤や水と自由に混ざります。他の化学物質の原料として用いられており、農薬などの原料に使われたり、ポリエチレンイミンなどの原料に使われます。ポリエチレンイミンは、製紙・紙加工、接着剤、繊維、水浄化などのさまざまな分野で、凝集剤、帯電防止剤、キレート剤などに用いられています。

■排出・移動

 2010年度のPRTRデータによれば、わが国では1年間に約0.69トンが環境中へ排出されたと見積もられています。すべてが「その他の製造業」に分類される事業所などから排出されたもので、すべて大気中へ排出されました。なお、廃棄物や下水道への事業所からの移動はありませんでした。

■環境中での動き

 エチレンイミンは、大気中では主に化学反応によって分解され、3日以内で半分の濃度になると計算されています1) 。環境水中での動きについては報告がありませんが、経済協力開発機構(OECD)テストガイドラインによる試験では、微生物分解はされにくいと報告されています1)

■健康影響

毒 性 エチレンイミンは、変異原性の試験において陽性を示したと報告されています1)。マウスに体重1 kg当たり1日4.64 mgのエチレンイミンを22日間、口から与え、さらに、77〜78週間、餌の量の0.0013%のエチレンイミンを餌に混ぜて与えた実験では、肝細胞がんや肺腫瘍の発生率が増加し、雌のマウスでは悪性リンパ腫の発生が報告されています1)。人の発がん性に関する報告はなく、国際がん研究機関(IARC)はエチレンイミンをグループ2B(人に対して発がん性があるかもしれない)に分類しています2)

体内への吸収と排出 一般の人がエチレンイミンを体内に取り込む経路についてはわかりません。体内に取り込まれた場合は、ラットの実験によると、96時間後に投与した量の約半分が尿中に排せつされたと報告されています1)

影 響 これまでの測定では、エチレンイミンは環境中から検出されていません。また、人の健康への影響を評価できる情報は現在のところ報告されていません。

■生態影響

 現在のところ、わが国では水生生物に対する信頼できるPNEC(予測無影響濃度)は算定されていません。

性 状 無色透明の液体  揮発性物質
生産量
(2010年)
国内生産量:公表データなし
排出・移動量
(2010年度
PRTRデータ)
環境排出量:約0.69トン 排出源の内訳[推計値](%) 排出先の内訳[推計値](%)
事業所(届出) 100 大気 100
事業所(届出外) 公共用水域
非対象業種 土壌
移動体 埋立
家庭 (届出以外の排出量も含む)
事業所(届出)における排出量:約0.69トン 業種別構成比(上位5業種、%)
その他の製造業 100
燃料小売業 0
事業所(届出)における移動量:−トン 移動先の内訳(%)
廃棄物への移動 下水道への移動
業種別構成比(上位5業種、%)
PRTR対象
選定理由
発がん性,変異原性
環境データ

大気

  • 化学物質環境実態調査:検出数0/18検体(検出下限値0.0000027 mg/m3);[2007年度,環境省]3)

公共用水域

  • 化学物質環境実態調査:検出数0/18検体(検出下限値0.000004 mg/L);[2006年度,環境省]3)
適用法令等

注)排出・移動量の項目中、「−」は排出量がないこと、「0」は排出量はあるが少ないことを表しています。

■引用・参考文献

■用途に関する参考文献