リスクコミュニケーションのための化学物質ファクトシート
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o-クロロフェノール

別   名 2-クロロフェノール、2-モノクロロフェノール、モノクロロフェノール、クロロフェノール、 1-クロロ-2-ヒドロキシベンゼン
PRTR政令番号 1-120 (旧政令番号 − )
C A S 番 号 95-57-8
構 造 式 o-クロロフェノール構造式
  • o-クロロフェノールは、染料や農薬の原料として使われています。
  • 2010年度のPRTRデータでは、環境中への排出量は約0.035トンでした。すべてが事業所から排出されたもので、すべて大気中へ排出されました。

■用途

 o-クロロフェノールは、常温で無色透明の液体で、水に溶けやすく、揮発性物質です。他の化学物質の原料として用いられ、染料や農薬の原料として使われています。

■排出・移動

 2010年度のPRTRデータによれば、わが国では1年間に約0.035トンが環境中へ排出されたと見積もられています。すべてが化学工業の事業所から排出されたもので、すべて大気中へ排出されました。この他、化学工業の事業所から廃棄物として約3.7トンが移動されました。

■環境中での動き

 大気中へ排出されたo-クロロフェノールは、化学反応によって分解され、0.8〜1.6日で半分の濃度になると計算されています1)o-クロロフェノールの環境水中での動きについては報告がありませんが、化審法の分解度試験では、微生物分解はされにくいとされています1) 。また、水中に入った場合は、分解を受けにくいものの、条件がそろえば微生物によって分解されると推定されています1)

■健康影響

毒 性 o-クロロフェノールは、フェノール類として、臭味発生防止の観点から水道水質基準が設定されています2)

体内への吸収と排出 人がo-クロロフェノールを体内に取り込む可能性があるのは、飲み水などによると考えられます。体内に取り込まれた場合は、ウサギの実験によると、代謝物に変化し、24時間以内にほとんどが尿に含まれて排せつされたと報告されています1)

影 響 o-クロロフェノールは河川などから検出されていますが、人の健康への影響を評価できる情報は、現在のところ報告されていません。また、大気中濃度の測定結果はありません。

■生態影響

 o-クロロフェノールは、魚類に対する有害性からPRTR制度の対象物質に選定されていますが、現在のところ、わが国では水生生物に対する信頼できるPNEC(予測無影響濃度)はまだ算定されていません。

性 状 無色透明の液体   水に溶けやすい   揮発性物質
生産量
(2010年)
国内生産量:公表データなし
排出・移動量
(2010年度
PRTRデータ)
環境排出量:約0.035トン 排出源の内訳[推計値](%) 排出先の内訳[推計値](%)
事業所(届出) 100 大気 100
事業所(届出外) 公共用水域
非対象業種 土壌
移動体 埋立
家庭 (届出以外の排出量も含む)
事業所(届出)における排出量:約0.035トン 業種別構成比(上位5業種、%)
化学工業 100
事業所(届出)における移動量:約3.7トン 移動先の内訳(%)
廃棄物への移動 100 下水道への移動
業種別構成比(上位5業種、%)
化学工業 100
PRTR対象
選定理由
生態毒性(魚類)
環境データ

水道水

  • 原水・浄水水質試験:水道水質基準超過数(フェノール類として測定);原水0/5202地点,浄水0/5386地点;[2009年度,日本水道協会]3) 4)

公共用水域

  • 要調査項目存在状況調査:検出数4/64地点,最大濃度0.000071 mg/L;[2006年度,環境省] 5)

地下水

  • 要調査項目存在状況調査:検出数0/7地点(検出下限値0.000005 mg/L);[2006年度,環境省] 5)

底質

  • 化学物質環境実態調査:検出数0/33検体(検出下限値0.009 mg/kg);[1996年度,環境省]6)
適用法令等
  • 大気汚染防止法:揮発性有機化合物(VOC)として測定される可能性がある物質
  • 水道法:水道水質基準値0.005 mg/L以下(臭味防止の観点からフェノール類として設定)
  • 水質汚濁防止法:排水基準5 mg/L(フェノール類含有量として設定)

注)排出・移動量の項目中、「−」は排出量がないこと、「0」は排出量はあるが少ないことを表しています。

■引用・参考文献

■用途に関する参考文献

  • 化学工業日報社『16112の化学商品』(2012年1月発行)