リスクコミュニケーションのための化学物質ファクトシート
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2-(1-メチルプロピル)-4,6-ジニトロフェノール

別   名 ジノセブ、DNBP、プリマージ
PRTR政令番号 1-441 (旧政令番号:1-339)
C A S 番 号 88-85-7
構 造 式 2-(1-メチルプロピル)-4,6-ジニトロフェノール構造式
  • 2-(1-メチルプロピル)-4,6-ジニトロフェノールは、ジノセブ、DNBPなどとも呼ばれ、かつて除草剤として使われていた物質です。
  • 2010年度のPRTRデータでは、2-(1-メチルプロピル)-4,6-ジニトロフェノールの環境中への排出はありませんでした。

■用途

 2-(1-メチルプロピル)-4,6-ジニトロフェノール(以下「ジノセブ」と表記します)は、常温で橙黄色の固体です。かつては除草剤として使われていましたが、1989年に農薬としての登録が失効してからは販売されていません。樹脂用添加剤としての用途が記載されている文献があります。

■排出・移動

 2010年度のPRTRデータによれば、わが国ではジノセブの環境中への排出はありませんでした。なお、化学工業の事業所から廃棄物として約0.019トンが移動されました。

■環境中での動き

 ジノセブは、大気中では主に化学反応によって分解され、2〜4日で半分の濃度になると計算されています1)。水中での微生物分解については報告がありませんが、水面の表層では光によって14〜18日で半分の濃度になったと報告されています1)。また、土壌中では30日で半分の濃度になったと報告されています1)

■健康影響

毒 性 ラットに体重1 kg当たり1日1 mgのジノセブを29週間、餌に混ぜて与えた三世代試験では、いずれの世代においても体重増加の抑制が報告されています1)

体内への吸収と排出 人がジノセブを体内に取り込む可能性があるのは、食物などによると考えられます。体内に取り込まれた場合は、ラットの実験では投与した量の25%がふんに含まれて、マウスの実験では投与した量の20%が尿に、30%がふんに含まれて排せつされたと報告されています1)

影 響 これまでの測定では、ジノゼブは大気中から検出されていません。また、河川や海域の水中濃度について測定結果はありません。人の健康への影響を評価できる情報も現在のところ報告されていません。

■生態影響

 ジノゼブは、魚類に対する有害性からもPRTR制度の対象物質に選定されていますが、現在のところ、わが国では水生生物に対する信頼できるPNEC(予測無影響濃度)は算定されていません。

性 状 橙黄色の固体
生産量
(2010年)
国内生産量:公表データなし
排出・移動量
(2010年度
PRTRデータ)
環境排出量:−トン 排出源の内訳[推計値](%) 排出先の内訳[推計値](%)
事業所(届出) 大気
事業所(届出外) 公共用水域
非対象業種 土壌
移動体 埋立
家庭 (届出以外の排出量も含む)
事業所(届出)における排出量:−トン 業種別構成比(上位5業種、%)
事業所(届出)における移動量:約0.019トン 移動先の内訳(%)
廃棄物への移動 100 下水道への移動
業種別構成比(上位5業種、%)
化学工業 100
PRTR対象
選定理由
経口慢性毒性,生殖・発生毒性,生態毒性(魚類)
環境データ

大気

  • 化学物質環境実態調査:検出数0/24検体(検出下限値0.0000032 mg/m3);[2007年度,環境省]2)
適用法令等
  • 食品衛生法:残留農薬基準 例えば,米(玄米)0.01 ppm,ばれいしょ0.05 ppm

注)排出・移動量の項目中、「−」は排出量がないこと、「0」は排出量はあるが少ないことを表しています。

■引用・参考文献

■用途に関する参考文献

  • (財)化学物質評価研究機構「化学物質安全性(ハザード)評価シート」
    http://qsar.cerij.or.jp/SHEET/F2001_15.pdf
  • 「除草剤の種類と作用機構」清水力『農業と雑草の生態学』文一総合出版