リスクコミュニケーションのための化学物質ファクトシート
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作成年: 2012年

2,4-キシレノール

別   名 2,4-ジメチルフェノール、1-ヒドロキシ-2,4-ジメチルベンゼン、m-キシレノール
管理番号 78
PRTR政令番号 1-101(化管法施行令(2021年10月20日公布)の政令番号)
C A S 番 号 105-67-9
構 造 式 2,4-キシレノール構造式
  • 2,4-キシレノールは、殺虫剤、抗酸化剤、医薬品などの原料として使われています。
  • 2010年度のPRTRデータでは、環境中への排出量は約0.057トンでした。すべてが事業所から排出されたもので、すべて大気中へ排出されました。

■用途

 2,4-キシレノールは、常温で無色透明の液体で、揮発性物質です。他の化学物質の原料として用いられており、殺虫剤、抗酸化剤、医薬品、顔料や合成樹脂の原料として使われています。

■排出・移動

 2010年度のPRTRデータによれば、わが国では1年間に約0.057トンが環境中へ排出されたと見積もられています。すべてが化学工業の事業所から排出されたもので、すべて大気中へ排出されました。この他、化学工業の事業所から廃棄物として約11トンが移動されました。

■環境中での動き

 大気中へ排出された2,4-キシレノールは、化学反応によって分解され、10時間以内で半分の濃度になると計算されています1)。環境水中での動きについては報告がありませんが、化審法の分解度試験では、微生物分解はされやすいとされています1)

■健康影響

毒 性 ラットに体重1 kg当たり1日100 mgの2,4-キシレノールを4週間、口から与えた実験では、腎臓の相対重量の増加が認められました1)

体内への吸収と排出 人が2,4-キシレノールを体内に取り込む可能性があるのは、飲み水や呼吸などによると考えられます。体内に取り込まれた場合は、組織内に蓄積される可能性は小さいとの報告があります。1)

影 響 食物や飲み水を通じて口から取り込んだ場合について、環境省の「化学物質の環境リスク初期評価」では、腎臓の相対重量の増加が認められたラットの実験結果に基づいて、無毒性量等を体重1 kg当たり1日3 mgとしています1)。2,4-キシレノールの飲料水中濃度の測定データがないため、公共用水域淡水の測定データから計算すると、人が飲み水を通じて口から取り込む量は最大で体重1 kg当たり1日0.000018 mg程度と予測されます1)。これは上記の無毒性量等よりも十分に低く、飲み水を通じて口から取り込むことによる人の健康への影響は小さいと考えられます。なお、環境中の2,4-キシレノールが食物を通じて取り込まれる可能性は小さいと推定されるため、これらを加えても2,4-キシレノールを取り込む量は大きく変わらないと考えられています1)
 呼吸によって取り込んだ場合については、知見が不十分なため、無毒性量等は設定できていません1)

■生態影響

 環境省の「化学物質の環境リスク初期評価」では、ミジンコの死亡を根拠として、水生生物に対するPNEC(予測無影響濃度)を0.021 mg/Lとしています1)。これまで得られた河川や海域の水中濃度はこのPNECよりも十分に低いため、この結果に基づけば水生生物への影響は小さいと考えられます。

性 状 無色透明の液体   揮発性物質
生産量
(2010年)
国内生産量:公表データなし
排出・移動量
(2010年度
PRTRデータ)
環境排出量:約0.057トン 排出源の内訳[推計値](%) 排出先の内訳[推計値](%)
事業所(届出) 100 大気 100
事業所(届出外) 公共用水域
非対象業種 土壌
移動体 埋立
家庭 (届出以外の排出量も含む)
事業所(届出)における排出量:約0.057トン 業種別構成比(上位5業種、%)
化学工業 100
事業所(届出)における移動量:約11トン 移動先の内訳(%)
廃棄物への移動 100 下水道への移動
業種別構成比(上位5業種、%)
化学工業 100
PRTR対象
選定理由
生態毒性(甲殻類)
環境データ

公共用水域

  • 化学物質環境実態調査:検出数11/27検体,最大濃度0.0000043 mg/L;[2007年度,環境省] 2)

底質

  • 化学物質環境実態調査:検出数0/33検体(検出下限値0.0002〜0.02 mg/kg);[1982年度,環境省] 2)
適用法令等

注)排出・移動量の項目中、「−」は排出量がないこと、「0」は排出量はあるが少ないことを表しています。

■引用・参考文献

■用途に関する参考文献