[この文書を印刷される場合はこちら(PDF)] 作成年: 2012年 |
2,3-ジシアノ-1,4-ジチアアントラキノン
■用途 2,3-ジシアノ-1,4-ジチアアントラキノン(以下「ジチアノン」と表記します)は、常温では水に溶けにくい褐色の固体で、果樹や野菜の病害に使われる殺菌剤の有効成分(原体)です。ジチアノン単独あるいは他の
農薬や銅剤と混合して、水和剤に製剤化されています。 ■排出・移動2010年度のPRTRデータによれば、わが国では1年間に約59トンが環境中へ排出されたと見積もられています。すべてが農薬の使用に伴って排出されたもので、すべて土壌へ排出されました。この他、化学工業の事業所から廃棄物として約0.37トンが移動されました。 ■環境中での動き土壌へ排出されたジチアノンは、実験では20〜35日で半分の濃度になったと報告されています1)。ジチアノンは土壌中では土壌粒子に吸着し1)、あまり移動しないと考えられます。水中では光分解や加水分解によって分解されると考えられますが、加水分解の速度はpHによって差があり、pH5では約10日間で、pH9では約10分で半分の濃度になったとされています1)。 ■健康影響毒 性 ラットにジチアノンを2年間、餌に混ぜて与えた実験では、体重増加の抑制、赤血球の減少、肝臓と腎臓の重量増加が認められ、この実験結果から求められる口から取り込んだ場合のNOAEL(無毒性量)は体重1 kg当たり1日1 mgでした2)。また、イヌにジチアノンを52週間、餌に混ぜて与えた実験では、肝臓重量の増加や肝臓組織に病理学的変化が認められ、この実験結果から求められるNOAELも体重1 kg当たり1日1 mgでした2)。 体内への吸収と排出 人がジチアノンを体内に取り込む可能性があるのは、食物や飲み水によると考えられます。体内に取り込まれた場合は、ラットの実験によると、ほとんどが代謝物に変化し、5日後には62〜70%がふんに、30〜34%が尿に含まれて排せつされたと報告されています2)。 影 響 食物からのジチアノンの摂取量に関する情報は現在のところ得られていません。また、ジチアノンの環境中の濃度に関する測定結果はありません。 ■生態影響ジチアノンは、魚類に対する有害性からもPRTR制度の対象物質に選定されていますが、現在のところ、わが国では水生生物に対する信頼できるPNEC(予測無影響濃度)は算定されていません。
注)排出・移動量の項目中、「−」は排出量がないこと、「0」は排出量はあるが少ないことを表しています。 ■引用・参考文献
■用途に関する参考文献
■適用作物に関する情報
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||