[この文書を印刷される場合はこちら(PDF)] 作成年: 2012年 |
2,4,6-トリクロロフェノール
■用途2,4,6-トリクロロフェノールは、常温で淡褐色の固体です。染料や殺菌剤の原料として使われたり、木材防腐剤として使われています。また、製紙工業において、紙面に付着する微生物の殺菌のためにも使われています。 ■排出・移動2010年度のPRTRデータによれば、わが国では1年間に約0トン(1 kg未満)が環境中へ排出されたと見積もられています。すべてが大気中へ排出されました。この他、化学工業の事業所から廃棄物として約0.041トンが移動されました。 ■環境中での動き大気中へ排出された2,4,6-トリクロロフェノールは、化学反応によって分解されますが、半分の濃度になるのに8.8〜88日かかるとされています1)。水中に排出された場合は、化審法の分解度試験では、微生物分解はされやすいとされています1)。 ■健康影響毒 性 2,4,6-トリクロロフェノールは、いくつかの変異原性の試験において陽性を示したと報告されています1)2) 3)。発がん性については、雄のラットのリンパ腫と白血病、雌雄のマウスの肝腫瘍の発生が報告されています1)2)。国際がん研究機関(IARC)では、2,4,6-トリクロロフェノールを含むポリクロロフェノールとそのナトリウム塩をグループ2B(人に対して発がん性があるかもしれない)に分類しています。 体内への吸収と排出 人が2,4,6-トリクロロフェノールを体内に取り込む可能性があるのは、飲み水などによると考えられます。体内に取り込まれた場合は、ラットの実験によると、代謝物に変化し、82%が尿に含まれて、22%がふんに含まれて排せつされたと報告されています1)4)。 影 響 食物や飲み水を通じて口から取り込んだ場合について、環境省の「化学物質の環境リスク初期評価」では、生まれた子に肝臓重量の増加が認められたラットの実験結果に基づいて、無毒性量等を体重1 kg当たり1日0.3 mgとしています1)。2,4,6-トリクロロフェノールの食物中濃度や飲料水の測定データは得られていませんが、過去に限られた地域で測定された公共用水域海水の濃度などから推定すると、人が口から2,4,6-トリクロロフェノールを取り込む量は上記の無毒性量等よりも十分に低いとはいえないため、情報収集等を行う必要性があるとしています1)。 ■生態影響環境省の「化学物質の環境リスク初期評価」では、魚類の死亡を根拠として、水生生物に対するPNEC(予測無影響濃度)を0.0041 mg/Lとしています1)。過去において限られた海域ではあるもののこのPNECを超える水中濃度が検出されたことがあるため、海域についてはさらなる情報収集が必要とされています1)。
注)排出・移動量の項目中、「−」は排出量がないこと、「0」は排出量はあるが少ないことを表しています。 ■引用・参考文献
■用途に関する参考文献
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